フリーランスの方の年金制度は国民年金が基本になります。
将来受け取れる年金額は分かりませんが、平成31年4月分からの年金額は満額で780,100円(年額)です。
月額にすると6万5千円程度になります。
これだけで生活するのは難しいですね。
民間の年金保険に加入して備えるという選択肢もありますが、まずは国が勧めているため税金上のメリットが大きい以下の3つの制度への加入を検討されるとよいと思います。
iDeCo
加入対象
日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方
掛金
月額5,000円から68,000円(国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠)
1,000円単位
掛金額の変更は年1回可能
年1回以上、任意に決めた月にまとめて拠出(年単位拠出)することも可能
運用
運営管理機関が選定する運用商品の中から自分で選択して運用することになります。
途中で運用商品の変更を行うことも可能。
銀行、証券会社などが運営管理機関になっています。
受取方法
一時金受取
受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら、70歳になるまでの間に、一時金として一括で受け取れます。
年金受取
受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら、5年以上20年以下の期間で、運営管理機関が定める方法で受け取れます。
一時金と年金を組み合わせ
受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達した時点で一部の年金資産を一時金で受け取り、残りの年金資産を年金で受け取る方法を取り扱っている運営管理機関もあります。
受給開始年齢
60歳から年金資産を受け取るには、iDeCoに加入していた期間(通算加入者期間)が10年以上、必要です。
通算加入者期間が10年に満たない場合は、受給可能な年齢が繰り下げられます。
年金以外の補償
70歳に到達する前に傷病によって一定以上の障害状態になった場合には、障害給付金を受給できます。
加入者が死亡した場合には、そのご遺族が死亡一時金を受給できます。
元本保証
元本確保型の運用商品を選べば元本保証ありです。
税メリット
掛金が全額所得控除になります。
運用益は非課税です。
年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。
小規模企業共済
加入対象
次のいずれかに該当する場合に加入できます。
- 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下
- 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下
- 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下
- 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
- 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
- 上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)
掛金
月額1,000円から70,000円
500円単位
掛金額の変更可能
月払い、半年払い、年払いの選択が可能
前納も可能で前納すると、一定割合の前納減額金を受け取ることができます。
運用
制度の運営者である独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運用します。(運用商品の選択はできません)
受取方法
一括受取
解約の場合は一時金としての受け取りのみ選択可能です。
分割受取
解約でなく60歳以上、支給を受ける額が300万円以上であれば分割受取も選択可能です。
一括受取と分割受取を組み合わせ
解約でなく60歳以上、一括で支給を受ける額が30万円以上、分割で支給を受ける額が300万円以上であれば選択可能です。
受給開始年齢
任意解約でも受け取れるため特に決まりはありません。(分割受取は60歳以上)
年金以外の補償
共済契約者の方が亡くなられた場合も共済金が受け取れます。
また、低金利の小規模企業共済貸付制度があります。
元本保証
元本保証ありです。
ただし加入後20年以内で任意解約等すると元本割れするので注意が必要です。
税メリット
掛金が全額所得控除になります。
運用益は非課税です。
分割受取の場合は「公的年金等控除」、一括受取の場合は「退職所得控除」の対象となります。
解約の場合は「一時所得」扱いになります。
国民年金基金
加入対象
日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方
掛金
掛金月額は、選択した給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって決まります。
上限68,000円(iDeCoとの合算枠)
口数単位で掛金額を変更(増口、減口)することができます。
1年分の掛金を前納すると0.1か月分の掛金が割引されます。
割引はありませんが、翌年3月までの一定期間分の掛金を一括して納付することも可能です。
運用
国民年金基金連合会が運用します。(運用商品の選択はできません)
受取方法
国民年金に上乗せしての年金受取のみです。
受給開始年齢
基本は65歳からです。
国民年金を繰上げ受給する場合は連動して国民年金基金も繰上げ受給になります。
国民年金を繰下げ受給する場合は国民年金基金は繰下げされず65歳からの受給になります。
年金以外の補償
加入者が死亡した場合には、そのご遺族が遺族一時金を受給できます。
元本保証
国民年金と同様、終身年金のため受給できる期間(受給から死亡まで)によっては元本割れの可能性があります。
税メリット
掛金が全額所得控除になります。
運用益は非課税です。
年金として受け取る際は「公的年金等控除」の対象となります。
法人経営者の場合
法人の社長も国民年金基金以外のiDeCo、小規模企業共済は加入が出来ます。
将来の不安に備えながら節税メリットもある上記の制度を検討してみましょう!