税理士業務

自社で年金制度が作れない場合、まずはiDeCo(イデコ)の上乗せ、iDeCo+(イデコプラス)を検討してみては!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中小企業・スタートアップでも優秀な人材採用のため、また、既にいる社内の優秀な人材を引き留めるため給与・福利厚生に力を入れている会社は多いと思います。

そのような中でも中小企業・スタートアップには年金制度がないところがほとんどですので年金制度を導入して他社に差を付けたいところですよね。

しかしこちらの記事にもあります通り、中小企業が自社で年金制度を導入するにはハードルが高かったりします。

そこで自社で年金制度を作れない場合に検討する対策として今回はiDeCo+をご紹介いたします。

まずはiDeCoについておさらいしましょう。

iDeCo

加入対象

日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方

掛金

月額5,000円から68,000円(国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠)

1,000円単位

掛金額の変更は年1回可能

年1回以上、任意に決めた月にまとめて拠出(年単位拠出)することも可能

運用

運営管理機関が選定する運用商品の中から自分で選択して運用することになります。

途中で運用商品の変更を行うことも可能。

銀行、証券会社などが運営管理機関になっています。

受取方法

一時金受取

受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら、70歳になるまでの間に、一時金として一括で受け取れます。

年金受取

受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら、5年以上20年以下の期間で、運営管理機関が定める方法で受け取れます。

一時金と年金を組み合わせ

受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達した時点で一部の年金資産を一時金で受け取り、残りの年金資産を年金で受け取る方法を取り扱っている運営管理機関もあります。

受給開始年齢

60歳から年金資産を受け取るには、iDeCoに加入していた期間(通算加入者期間)が10年以上、必要です。

通算加入者期間が10年に満たない場合は、受給可能な年齢が繰り下げられます。

年金以外の補償

70歳に到達する前に傷病によって一定以上の障害状態になった場合には、障害給付金を受給できます。

加入者が死亡した場合には、そのご遺族が死亡一時金を受給できます。

元本保証

元本確保型の運用商品を選べば元本保証ありです。

税メリット

掛金が全額所得控除になります。

運用益は非課税です。

年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。

iDeCo+

さて、本題のiDeCo+です。

「iDeCo+」とは、企業年金を実施していない中小企業がiDeCo に加入している従業員の掛金に追加して、掛金を拠出できる制度です。

会社の掛金と従業員の掛金との合計は、iDeCoの拠出限度額の範囲内(月額2.3万円相当)に設定します。

この制度を導入することで、企業年金を実施していない中小企業が、従業員の老後の所得確保に向けた支援を行うことができ、会社の魅力度がアップすることになりますね。

(厚労省パンフレットより引用)

導入のための要件や流れは以下の通りです。

事業主要件(会社側の要件)

企業型確定拠出年金、確定給付企業年金及び厚生年金基金を実施していない事業主であって、従業員(第一号厚生年金被保険者。以下、同じ。)100人以下の事業主。

ただし、同じ事業主が複数の事業所を経営している場合、全事業所の従業員の合計が100人以下であることが必要です。

拠出対象者(従業員)

iDeCoに加入している従業員のうち、事業主掛金を拠出されることに同意した加入者。

※拠出対象者に一定の資格(職種、勤続年数)を設けることも可能です。

掛金設定

加入者掛金と事業主掛金の合計額は、月額5,000円以上23,000円以下の範囲で、加入者と事業主がそれぞれ1,000円単位で決定できます。

加入者掛金を0円とすることはできませんが、事業主掛金が加入者掛金を上回ることは可能です。

また、一定の資格(職種、勤続年数)ごとに掛金額を設定することも可能です。

ちなみに会社の掛金は全額損金算入できますので節税対策にもなりますね。

納付方法

加入者掛金と事業主掛金を事業主がとりまとめて納付します。

労使合意

事業主掛金を拠出する場合に、労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者の同意が必要です。

また、掛金額を変更する際にも同様の同意が必要です。

届出書類の作成・提出

拠出開始月の前月20日までに、国民年金基金連合会へ申請書類を2部提出する必要があります。

従業員がiDeCoに加入する場合の会社側の事務手続き

加入時

従業員がiDeCoの加入者となる場合は、国民年金基金連合会に事業所登録をする必要があります。

また、加入を希望する従業員から提出される事業主証明書に必要事項を記入する必要があります。

年1回

年に1回、国民年金基金連合会が加入申出時に得た情報をもとに、加入者の勤務先に資格の有無の確認を行いますので、事業主の証明が必要です。

毎月

加入者が事業主払込を希望する場合、事業主から国民年金基金連合会に掛金を納付する必要があります。

年末

iDeCoの掛金には所得控除がありますので、加入者が個人払込を選択した場合は年末調整が必要です。

加入者が個人払込を選択している場合、年末調整の際に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が国民年金基金連合会から加入者あてに送付されますのでその他の生命保険料控除証明書などと一緒に忘れずに提出してもらうようにしましょう。

まとめ

日本全国、全業種で人手不足が叫ばれています。

自社で年金制度を作れなくとも福利厚生対策として出来ることはいろいろあります。

魅力的な会社作りをして優秀な人材を確保しましょう!

Follow me!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

PAGE TOP