消費税

複数税率(軽減税率)対応レジを導入しないで軽減税率に対応する方法

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昨日に引き続き複数税率対応レジについてのお話です。

昨日はどうせなら「モバイルPOSレジアプリの導入を検討してみは?」と締めくくりましたが「モバイルPOSレジアプリは必要ない」「今までのようなかたちのレジがいい」という方もいらっしゃると思います。

現在のインターネット通販で通常の複数税率対応レジを見てみると相場としてはだいたい2万円~6万円ぐらいになっています。

レジ導入補助金で3/4(レジ1台のみ導入で3万円未満は4/5)が補助されますので実質負担は5千円~1万5千円ぐらいになります。

負担は小さいですが「今までの慣れたレジを変えるのに抵抗がある」や「軽減税率対象商品を扱っているけど数がごく僅か」などの理由でできれば複数税率対応レジを導入したくない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なぜ複数税率(軽減税率)対応レジを導入する必要があるのか

そもそものお話です。

これはそのお店で商品等を購入した方が事業者の場合で、その事業者が自身の消費税を申告する際に、購入した商品等を消費税計算上の経費(仕入税額控除)とするために請求書等(領収書)の保存が消費税法上求められているからです。

そして2019年10月1日以降はその請求書等(領収書)に10%の消費税率の商品等と8%の消費税率の商品等が分けて記載されていることが消費税法上求めらるのです。

複数税率(軽減税率)対応レジを導入しないで軽減税率に対応する方法

手書きで対応できる

複数税率(軽減税率)対応レジを導入しないでも今までの慣れたレジを使いながら手書きにより対応することが認められています。

ではどのような内容を手書きしたらよいでしょうか。

区分記載請求書等保存方式で必要になる記載事項

2019年10月1日以降、消費税法上求められる請求書等(領収書)の保存方式を区分記載請求書等保存方式といいます。

区分記載請求書等保存方式で必要になる記載事項が以下のものです。

㋑ 書類の作成者の氏名又は名称(お店の名前)
㋺ 課税資産の譲渡等を行った年月日(発行日⇒正確には販売日)
㋩ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減
対象資産の譲渡等である旨)
㋥ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額
㋭ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称(宛名⇒買った人の名前)

具体的なレシート例は以下の通りです。(国税庁Q&A資料より引用)

㋑ ㋺ ㋭ は今まで通りのレジでも問題なく対応できると思います。(㋭はもともと手書きですし、小売業者・飲食店業者はそもそも消費税法上記載が求められていません)

軽減税率が登場することで新たに記載が必要になるのが㋩の括弧書き部分と㋥です。

上記の例のようなかたちで㋩と㋥を手書きすれば複数税率(軽減税率)対応レジを導入しなくても問題ありません。

3万円未満の取引についてはそもそも請求書等(領収書)の保存が求められない

3万円未満の取引に係る仕入税額控除については、従前から請求書等(領収書)の保存がなくても、仕入税額控除を行う事業者が自身の帳簿に一定の内容を記載して保存することのみで適用することができます。

2019年10月1日以降は、帳簿にはこれまでの記載事項に加え、その取引が軽減税率対象取引であることを記載すればオーケーです。

ただ、その領収書を受け取ったお客さんが合計金額のうち10%のものがいくらで8%のものがいくらか分からないとご自身の帳簿に分けて記載できませんので3万円未満の領収書でも手書きのメモをしてあげた方がよいですね。

売ったお店側も消費税の申告時に分けて集計する必要があるので注意

お客さんに渡す領収書は手書きで対応可能ですが、お店側が消費税の申告をする必要がある課税事業者の場合、お店の経理上、売上を10%のものと8%のものに分けて管理する必要があります。

今まで使っていたレジの設定を変更して10%のものと8%のものを分けて打つこと(部門1と部門2で分けて打つなど)が出来れば集計ができると思いますが、もしそうでない場合はレジを打つと同時に別の帳簿などに集計しておく必要があるかと思います。

10%のものと8%のもの、いずれか取引量が少ないと思われるものを販売の都度メモしておいて集計し、合計の売上からその集計を控除したものがもう一方の税率の合計になるという計算です。

うーん、あまり現実的ではないかもしれませんね。

まとめ

手書きの手間や集計の手間、それに伴う作業ミスの影響を考えるとやはり補助金を活用してレジを入れ替えた方がよいように思います。

「こんなケースはどうしたらよい?」などのご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください!

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