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東京都 創業助成金 申請要件のうち創業支援事業の利用要件をクリアする!

東京都には魅力的な創業助成金があります。

事業開始から5年未満(申請申込時点の判定でOK)の中小企業・個人事業者が申請可能で、交付決定日から最長2年間の間にかかった経費の2/3、最大300万円を助成金として受け取ることができます。

目次

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東京都 創業助成事業

助成対象期間

交付決定日(次回は令和2年3月1日予定)から 1 年以上2年が経過する日までの間で事業に必要な期間

助成限度額

上限額300万円  下限額100万円

助成率

助成対象と認められる経費の2/3以内
助成対象経費に助成率を乗じることで、助成金額を算出します。

助成対象経費

賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

採択率

採択率は公表されていませんがその魅力的な内容から近年は人気が高まり、採択率は10%~30%ぐらいとの予想もあります。

採択率は今後も低下が予想されますがその狭き門を突破できれば大きなリターンがありますね。

今回はその申請要件のうち創業支援事業の利用要件について検討したい思います。

創業支援事業の利用要件

東京都の創業助成金には「都内で事業を行っていること」「事業開始から5年未満」の要件の他に「指定された17の創業支援事業のいずれかを利用していること」という要件があります。

これが意外にハードルが高く、既に満たしている方はよいのですが、これから満たそうと思うと通常2か月程度かかるということが東京都からの説明でも言われています。

①TOKYO創業ステーション「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了する

公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下「公社」)が実施する、TOKYO創業ステーション「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明を受けた方、という要件です。

TOKYO創業ステーションに配置されているプランコンサルタント(創業相談員)の方に創業相談、ビジネスプランの作成指導を受けます。

終了証をもらうまでには事前予約制で1回45分の面談を複数回受ける必要があります。

詳しくはこちらから。

②「多摩ものづくり創業プログラム」を受講し「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了する

公社の多摩支社が実施する、「多摩ものづくり創業プログラム」を受講後、同支社実施の「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明を受けた方、という要件です。

TOKYO創業ステーションが丸の内にあるため多摩地域の方の通いづらさを考慮したものと思われます。

「多摩ものづくり創業プログラム」が10月~11月の土曜日(9:30~16:30)に5日間の受講が必要、その後に「プランコンサルティング」を受けないといけません。

詳しくはこちらから。

③「事業可能性評価事業」において「事業の可能性あり」と評価される

公社が実施する、「事業可能性評価事業」において、当年度、またはその前年度以前の過去3か年度の期間内に「事業の可能性あり」と評価され、継続的支援を受けている方、という要件です。

申し込み後、面談をして事業計画の作成支援を受け、さらに事業可能性評価委員会で「事業の可能性あり」と評価される必要がありハードルが高いですね。

(公社ホームページより引用)

事前評価を経て、事業可能性評価委員会で最終評価が出るまで、概ね2~3か月を要するとのことです。

くわしくはこちらから。

④ 「商店街開業プログラム(商店街起業促進サポート)」を受講修了する

公社が実施する、「進め! 若手商人育成事業」における「商店街開業プログラム(商店街起業促進サポート)」を当年度、または前年度以前の過去3か年度の期間内に受講修了した方、という要件です。

まず、商店街での開業を検討している方に絞られます。

さらに受講のために書類審査と面接審査があり、プログラムは10月から翌年2月までの計10回、木曜日の18:00~21:00に開催されます。

くわしくはこちらから。

⑤ 東京都・公社が設置した創業支援施設に入居

東京都・公社が設置した創業支援施設に入居している方、または以前に入居していた方、という要件です。

なお、該当施設は下記のとおりです。

・ 東京都が設置した施設

東京ライフサイエンスインキュベーションセンター(閉館)
東京コンテンツインキュベーションセンター(中野新橋徒歩1分)(募集中)
青山スタートアップアクセラレーションセンター(表参道駅徒歩11分)(募集中)

・ 公社が設置した施設

インキュベーションオフィスTAMA(西立川駅徒歩7分)(募集中)、白鬚西R&Dセンター(南千住駅徒歩12分)(秋ごろ募集予定)
ソーシャルインキュベーションオフィスSUMIDA(入居募集終了)
ベンチャーKANDA(入居募集終了)、タイム24(閉鎖)

それぞれそれなりの審査がありますし立地が限られているためこの助成金のためだけに入居を検討するというのは現実的ではないでしょう。

⑥認定インキュベーション施設に入居

東京都インキュベーション施設運営計画認定事業の認定を受けた認定インキュベーション施設に、認定後(新設施設は運営開始後)6か月以上継続して入居し、申請を行う事業内容に関する個別具体的支援を、インキュベーションマネージャーから入居期間中に継続して受けている方、または以前に受けていた方、という要件です。

認定インキュベーション施設は23区内を中心に現在25か所あります。

詳しくはこちらから。

レンタルオフィス、コワーキングスペースなどですね。

個室利用以外でも対象になります。

個別具体的支援をインキュベーションマネージャーから入居期間中に継続して受けていることという要件がやや不明確なように思われますがインキュベーション施設から創業支援証明書を発行してもらえばOKです。

対応は施設により異なると思いますが証明書様式から察するに比較的簡単に証明書を出していただけそうな感じがします。

しかし、6か月以上の入居も要件になっていますので助成金目的で入居した場合、すぐに申請申込が出来ないのがネックですね。

⑦都内所在の創業支援施設と、1年間以上の賃貸借契約を締結して入居

独立行政法人中小企業基盤整備機構、都内区市町村、地方銀行、信用金庫、信用組合、国公立大学、私立大学が設置(左記以外の主体との共同設置の場合、左記の主体が発行済み株式総数または出資総額の3 分の 2 以上を所有または出資していること)した都内所在の創業支援施設と、1年間以上の賃貸借契約を締結して入居している方、または過去3か年の期間内に入居していた方、という要件です。

創業支援施設についてはこちらにまとまっています。

こちらは賃貸借契約を締結しその契約書を提出すれば要件を満たしますので比較的ハードルが低いです。

空きがあれば入居できる施設がほとんどですので急な申請の際にお勧めですね。

⑧青山スタートアップアクセラレーションセンターにおいて、アクセラレーションプログラムを受講

青山スタートアップアクセラレーションセンターにおいて、アクセラレーションプログラムを受講している方、または以前に受講していた方、という要件です。

スタートから3か月は週1回の個別面談。

その後は月6回個別面談コースか月2回個別面談コースを2か月間。

全5か月間のスケジュールです。

応募資格も「各種ビジネスプランコンテスト等を受賞した優秀な事業計画を有するもの」など、ハードルが高くなっています。

詳しくはこちらから。

⑨「TOKYO STARTUP GATEWAY」でセミファイナリストまで進んだ方

東京都が実施する、「TOKYO STARTUP GATEWAY」において、前年度以前の過去3か年度の期間内にセミファイナリストまで進んだ方、という要件です。

助成金申請要件を満たすために応募するものではないですね。

結果的にファイナリストになればAWSをはじめとする各種事業化支援メニューが無償または優待にて利用できますのでそちらのメリットも大きいです。

なお、最優秀者には100万円、優秀者には50万円の賞金があり、更に、都内で法人設立時には活動資金100万円が提供されますのでこちらの方が魅力的ですね。

助成金は後払いですがこちらはすぐにキャッシュインしますのでまずこちらに挑戦、受賞できなくともセミファイナリストまで残れば東京都の創業助成金を申請、という流れでもよいかもしれません。

詳しくはこちらから。

⑩「東京都女性ベンチャー成長促進事業(APT Women)」の国内アクセラレーションプログラムを受講

東京都が実施する、「東京都女性ベンチャー成長促進事業(APT Women)」において、国内プログラム(アクセラレーションプログラム)を受講している方、または以前に受講していた方、という要件です。

こちらは現在、募集を行っておりませんので以前に受講していた方が対象になります。

⑪「女性・若者・シニア創業サポート事業」融資を利用

東京都が実施する、「女性・若者・シニア創業サポート事業」において、取扱金融機関から当該事業に係る融資を受け、その証明を受けた方、という要件です。

アドバイザーとの面談、融資審査などいくつかの段階を経る必要があるので証明書が出るまでには2~3か月はかかると思います。

詳しくはこちらの投稿

東京都創業サポート事業融資

またはこちらをご確認ください。

⑫ 東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用

東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用している方、という要件です。

次の⑬が区市町村ですがこちらは都の制度融資です。

区市町村の制度融資に比べて利息補助が少ないためあまり頻繁に利用されていない印象です。

詳しくはこちらから。

⑬区市町村の制度融資(創業融資)を利用

都内区市町村が実施する、中小企業制度融資のうち、創業者を対象とした東京信用保証協会の保証付き制度融資を利用している方、という要件です。

区によっては利息補助が大きく、利息の実質負担は1%を切るケースも多くあるため利用している方を多く見かけます。

しかし区によっては認定を受けるために毎週面談を4週連続で受ける必要があったり、手間と時間もかかります。

助成金の申請に添付が必要な「信用保証決定のお知らせ」を受け取るまでは3か月程度を要すると考えた方が良いです。

またよくある注意点としては創業時に制度融資で借入した場合に創業の制度でなく「小口資金」の制度を使っている場合があります。

そのような場合は助成金申請の要件を満たしませんのでご注意ください。

お手元の「信用保証決定のお知らせ」の制度欄に「創業」「創業支援」等の記載があれば要件を満たしますが、「小口」「事業一般」などの記載では要件を満たしません。

詳しくは各区市町村にご確認ください。

⑭東京都が出資する、ベンチャー企業向けファンドからの出資等を受ける

東京都が出資する、ベンチャー企業向けファンドからの出資等を受けている方、という要件です。

詳しくはこちらから。

⑮政策金融機関の資本性劣後ローン(創業)を利用

政策金融機関の資本性劣後ローン(創業)を利用している方、という要件です。

政策金融機関=日本政策金融公庫ですね。

注意点は日本政策金融公庫には新創業融資制度などいくつかの創業融資関連の制度がありますがその中でも「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」に限定している点です。

日本政策金融公庫で創業融資を申し込む場合、「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」はまず紹介されませんし通常の融資と異なるかなり特殊な条件になっていますので事前によく検討してから申し込むようにしましょう。

詳しくはこちらから。

⑯産業競争力強化法に規定する認定特定創業支援等事業により支援を受ける

産業競争力強化法に規定する認定特定創業支援等事業により支援を受け、過去3か年の期間内に都内区市町村長の証明を受けた方、という要件です。

各区市町村が認定を受けた計画の概要はこちらから確認できます。

証明書が出るまでにどれほどの支援を受ける必要があるかは区市町村により異なりますが、中小企業庁のガイドラインによれば、原則4回以上かつ1か月以上の期間をかけて指導することが求められておりますので、最小・最短で毎週1回の面談を4回実施して1か月かかるということです。

区市町村によってはそれ以上の支援を受けないと証明書が出ないこともありますので詳細は区市町村に確認しましょう。

⑰認定特定創業支援等事業に準ずる支援を受ける

東京商工会議所、東京信用保証協会、東京都商工会連合会、中小企業大学校東京校BusiNestより認定特定創業支援等事業に準ずる支援を受け、過去3か年の期間内にその証明を受けた方、という要件です。

東京商工会議所が証明書を発行するには、「面前でのご相談(電話・メール文書除く)やセミナー等を複数回受けていただき、かつ創業計画書をご提出いただく必要がございます。詳細は最寄りの支部または本部(創業支援センター)までお問合せください。」とのことでした。

いずれの団体も区市町村における中小企業庁のガイドラインの「原則4回以上かつ1か月以上」要件に準じているものと思われます。

まとめ

非常に魅力的な東京都の助成金ですが申請要件のハードルは決して低いものではないです。

これから上記17の要件のどれかを満たそうと思った場合、お勧めは⑯か⑰ですね。

最寄りの区市町村等に確認し最低ラインの「4回・1か月」の面談やセミナーでクリアできるところを探しましょう。

⑦も立地と契約条件に問題がなく、空きがあればすぐに要件を満たすことができるため検討の価値ありです。

なお、上記の申請要件を満たして申請した場合、書類審査の他に、面接審査(日時指定・原則変更不可)がありますので採択決定までには相当な手間と時間がかかることを考慮する必要がありますね。

採択率が10%近くに落ちている可能性も考慮し申請は慎重に検討しましょう!

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