ゴルフ会員権を法人で取得する場合の処理で先日確認したことを備忘録として記事にしたいと思います。
法人がゴルフ会員権を取得した場合
ゴルフ場に法人会員がある場合
法人会員として取得した会員権は資産計上になります。
ただし、特定の役員や従業員が業務に関係なく利用するために取得したものはその役員や従業員の給与として処理し所得税の課税対象になります。
法人会員があるゴルフ場なのに個人会員として取得した場合も取得した役員や従業員の給与として処理し所得税の課税対象になります。
ゴルフ場に法人会員が無い場合
個人会員として取得しても法人会員がないことにより個人会員として取得したものであり、法人の業務で利用する目的で取得したものについては資産計上できます。
つまり個人会員である役員や従業員の給与にならないというわけです。
年会費その他の費用
年会費やロッカー料などの費用は会員権が資産計上されている場合は法人の交際費となり、給与とされている場合は給与となります。
プレー代
プレー代は会員権の資産計上の有無にかかわらずそのプレーが法人の業務に関わる場合は交際費となり、法人の業務に関係のない個人的な利用の場合は給与になります。
法人会員があっても個人会員で資産計上OK?
原則的な扱いは先に記載した通りですが実務上は法人会員があっても個人会員で資産計上しているケースが多いとのこと。
先日、私のお客様からご相談いただき検討した際の話です。
某ゴルフクラブでは個人会員は1口で入会でき、法人会員は2口購入しないと入会できないとのこと。
そんな理不尽なことがあるんですね。
老舗のゴルフクラブはだいたい個人は1口、法人は2口としているとのことです。
先に記載した原則的な扱いだと2口購入しなければ法人で資産計上できません。
なんとか1口の購入で法人資産計上できないか検討しておりましてゴルフ会員権仲介業者に相談したところ「法人会員があっても個人会員で資産計上OK」とのこと。
その業者さんは法人税の基本通達のことまで細かくは理解されておりませんが実務上はそのようなケースが多くある、というかほとんどそうしているというような口ぶりでした。
資産計上のための具体的な処理方法としては個人で1口購入し個人と法人の間で念書(覚書)を結んで法人の資産であることを両者間で明確にするという方法とのこと。
とある源泉所得税の解説書籍では念書(覚書)を結んでも給与課税されるというような記載もありますが仲介業者さんは自信満々でした。
その仲介業者さんはかなりのベテランで相当件数こなされている様子もあり「中小企業から上場企業までこの手法で取得しているが税務署に否認されたことはない」とのこと。
たまたま指摘されていないだけか、指摘されたけれどもその仲介業者さんにクレームが入らなかっただけか真相は分かりませんが、このスキームがよく利用されていることだけは確かなようです。
リスクがありながら1口購入の個人会員とするか、リスクはないけれど余計な出費をして2口購入の法人会員とするか、悩ましいところですね。