起業・創業支援

フリーランス(個人事業者)が法人化(法人成)を検討する際の注意点2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回に引き続き個人事業者か法人かの検討ポイントについてです。

前回は税金と社会保険について記載いたしましたが今回はそれ以外ということになります。

社会的な信用

社会的な信用は法人の方があります。

取引先

特に取引先からの信用です。

相手が大きい法人であればあるほど個人事業者に対する風当たりはきつくなります。

「個人事業者とは取引しない」なんて主義のところもあるぐらいです。

業種(職種)によってはそれほど不利にならない可能性もあるかもしれません。

デザイナー、ライターなど個人の能力で仕事を受注するような場合は不利にならないでしょうか。

私たち税理士などの士業も個人事務所でもそれなりの法人と取引できます。

それでもやはり上場企業になると「税理士法人でないと」と考える法人が多いでしょう。

いずれにしろ個人事業者より法人であった方が取引先からの信用度が高いことは確かです。

従業員

従業員からの信用というよりは従業員として採用する際の信用です。

やはり多くの方が個人事業主のところに就職するよりは法人に就職したいと思うはずです。

できらばさらに大きい法人にと。

ただここも職人的な世界だと人に付いて修行という考え方もありますので業種(職種)によってはそれほど不利にならない可能性もありますね。

私たち税理士などの士業も職人的な部分があります。良いのか悪いのか。

手続きの手間

個人事業者より法人の方が手続きの手間がかかります。

事業開始

個人事業は思い立ったら開始!というか、いつ開始したか線引きが微妙なくらい何もなく始まります(税務署等への事業開始届は別として)。

法人は何といっても設立の手間がかかります。

今は会社設立freeeなど専門的知識が無くても会社設立できるサイトがありますのでだいぶ便利になりましたがそれでも公証役場に行って、法務局に行って、と結構大変です。

司法書士等の専門家に依頼すればそれなりの費用もかかります。

税金

税金の申告については個人事業者の所得税は少し勉強してネットの記事などを見れば税理士に頼らずともご自身でできますが、法人の法人税申告はご自身でやるのは相当にハードルが高いです。

税理士をつけずに法人税の申告をしている会社は聞いたことがありません。(正確には上場企業などの大きい会社になると逆に税理士に頼まず自社で完結させるケースがありますが)

あと、よく言われる点としては手間とは関係ありませんが法人にしておくと赤字であっても最低7万円の税金(均等割)が発生してしまいます。

社会保険

社会保険については個人事業者は従業員が5人以上でなければ加入する必要がありませんのでご自身の国民健康保険と国民年金だけ考えればよいことになります。

それらも役所で一度手続きすればあとは自動的に納付書が送られてきて払うだけです。

法人になると自分の給料についても協会けんぽ・厚生年金に加入しなければなりません。

最低年1回は算定基礎届を提出する必要があり、こちらは社労士さんにお願いせずともご自身でできると思いますが結構面倒です。

銀行関係

預金

個人事業者の預金は屋号(OO商店など)を付けた預金も作成できますが普通の個人名の預金を事業で使用しても何ら問題ありません。

ただ、事業用の口座とプライベートの口座は分けておきましょう。

税務調査時に事業の出し入れとプライベートの出し入れが混ぜこぜだといろいろと疑われるきっかけになってしまいますので。

あと自分で経理するときも事業用の口座とプライベートの口座は分けておいた方が分かりやすくてよいです。

ということで個人事業用口座は普通の個人口座でもよいので手軽に作成できます。

(個人事業者用口座・個人ビジネス用口座などもありますが総合振込(複数件いっきに振込)ができるぐらいであまりメリットはありません)

しかし法人用口座はマネーロンダリング対策の点から開設が非常に大変です。年々大変になっています。

あれ出せこれ出せ、あれ書けこれ書け状態で結果的に口座開設できないなんてこともあるぐらいです。

融資

基本的には融資については審査上の有利不利はありません。

資金使途・事業の業績と返済ができるかがポイントになりますので個人か法人かは関係ありません。

しかし融資商品によっては個人のみ法人のみの取り扱いになっているものもありますので注意が必要ですね。

どちらかといえば個人のみで法人不可より法人のみで個人不可の商品の方が多いでしょうか。

あとはあまり想定したくありませんが返済できなくなったとき、個人の場合は自己破産という結論になりますが、法人で無担保無保証での借り入れをしていた場合は法人が破産などで解散すれば代表者個人には影響がなく、また別の法人で再スタートということも可能です。

これらの点から融資の面は法人の方がよいでしょうね。

まとめ

全体的にまとめると法人の方がコストと手間はかかるが事業をより大きくより円滑に進めるには法人の方が有利ということになると思います。

Follow me!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

PAGE TOP