昨日、2019年6月28日に当事務所が経営革新等支援機関に認定されました。
私自身は独立前に勤務していた税理士法人で2013年6月の認定から経営革新等支援機関担当として業務を行ってまいりましたので今まで通り何も変わるところはありませんが、独立して島田悠太朗税理士事務所になりましたので島田悠太朗税理士事務所としての認定申請が必要になりました。
申請から認定まで時間がかかりますので空白の期間が出来てしまいましたが、ようやく島田悠太朗税理士事務所でも経営革新等支援機関としての活動ができるようになりました。
経営革新等支援機関とは
中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中で、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、 中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を国が認定する制度が創設されました。
経営革新等支援機関(認定支援機関)は、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、税務、金融、財務に関する専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。
具体的には何をする?
経営改善計画策定支援事業
リスケ(返済猶予)などの金融支援を伴う経営改善が必要な中小企業等に対して認定支援機関が経営改善計画の策定支援とモニタリングを行います。
中小企業等が認定支援機関に対して支払う経営改善計画策定支援に要する計画策定費用やフォローアップ費用について、経営改善支援センターが、3分の2(上限200万円)を負担する制度もありますので金融支援が必要な中小企業等の方々は是非お近くの認定支援機関にご相談ください。
また、リスケ(返済猶予)が必要となる前の早期段階における簡易な経営改善計画策定とモニタリングの費用も経営改善支援センターが負担する制度もあります。
ものづくり・商業・サービス支援補助金
ものづくり補助金の申請には認定支援機関による確認書の提出が求められています。
企業が作成した事業計画書に、第三者である認定支援機関がお墨付き与える必要があるのです。
認定支援機関が作成するのは確認書なので補助金の申請書を認定支援機関が作成するわけではありませんが、申請書の作成の段階から認定支援機関に相談し一緒に作成してもらってもよいと思います。
事業承継補助金
ものづくりと同様に事業承継補助金の申請にも認定支援機関による確認書の提出が求められています。
事業承継は相続税・贈与税や組織再編税制など税務分野との関わりも大きくありますので税理士である認定支援機関に相談し事業承継補助金だけでない事業承継計画全体でのアドバイスを受けることをお勧めします。
事業承継税制(特例措置)
平成30年度税制改正により設けられた事業承継税制の特例措置を適用する場合の特例認定では、以下の手続きについて、認定支援機関の関与が必要です。
(1) 「特例承継計画」に、認定支援機関による指導及び助言を受けた旨を記載すること
(2) 事業承継税制適用後5年間の従業員数の平均が、贈与・相続の時と比べ、8割を下回った場合、その理由について記載し、認定支援機関による所見の記載(従業員数減少の理由が経営悪化等による場合は、併せて認定支援機関による指導及び助言を受けた旨の記載)をすること
先端設備等導入計画
生産性向上特別措置法に基づく支援措置として先端設備の固定資産税3年間ゼロの特例や信用保証協会による信用保証のうち、普通保険等とは別枠での追加保証が受けられます。
これらの特例の適用を受ける際に認定支援機関による確認書の提出が求められます。
商業・サービス業・農林水産業活性化税制
商業・サービス業等を営み、青色申告書を提出する中小企業者等が、令和3年(2021年)3月31日までに経営改善設備を取得等した場合に、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除を受けることができる措置です。
この税制の適用を受けるためには認定支援機関から経営改善に関する指導及び助言を受けた旨を明らかにする書類を申告書に添付して申告する必要があります。
中小企業経営強化税制
中小企業等経営強化法に基づく支援措置として導入された税制です。
青色申告書を提出する中小企業者等が、令和3年(2021年)3月31日までに、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。
こちらは認定支援機関の関与は必須ではありませんが経営力向上計画の策定にあたって認定支援機関がサポートを行っています。
中小企業経営力強化資金融資事業
中小企業等経営強化法に基づく支援措置として導入された日本政策金融公庫の融資制度です。
無担保・無保証人で借入ができ創業融資でも使える非常に魅力的な融資制度となっております。
利用条件のひとつとして認定支援機関による指導及び助言を受けている必要があります。
経営力強化保証制度
中小企業者の資金調達にあたって、金融機関が認定支援機関と連携して中小企業等の事業計画の策定支援や継続的な経営支援を行い、中小企業者の経営力の強化を図ることを目的として創設された制度です。
この制度では信用保証料の減免(概ね▲ 0.2%)を受けることが出来ます。
申込時に認定支援機関による支援内容を記載した書面の提出が求められています。
企業再建資金(企業再生貸付)制度
日本政策金融公庫が実施する融資制度です。
利用条件の一つに、認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用して経営改善に取り組んでいること、または、過剰債務の状況に陥っている方が経営改善計画の策定を行い、認定支援機関による指導および助言を受けており、かつ、同計画に対する関係金融機関の合意が確認できること、という条件があります。
まとめ
上記の他にも認定支援機関が関与することで利用可能になる制度がいろいろとあります。
当事務所も認定支援機関として中小企業等の皆様の支援を積極的に行っていきますので何かお困りの際は是非お声掛けください。