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超速報!令和5年度税制改正大綱について

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今年も税制改正大綱が発表されましたね。

超速報として個人的に気になったものをざっくり解説いたします!

インボイス制度についての所要の整備

登録申請期限の見直し

制度が始まる来年10月1日に登録を受けるためには、原則として来年3月末までに申請書を提出する必要がありました。

ただ、例外として来年4月以降に申請する場合、申請書に「困難な事情」があることを記載すれば来年10月1日に登録を受けることができることとされていました。

しかし、登録申請数が伸び悩む現在の状況を考慮して「困難な事情」の記載がなくても4月以降に登録申請ができるようになります。

小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置

免税事業者が課税事業者を選択した場合、納税額を売上税額の2割に軽減する負担軽減措置を3年間講じることとされました。

現在の制度になる簡易課税制度の第2種事業と同じような計算になるものと思われます。

なお、この措置はインボイス制度の開始から令和8年9月30日の属する課税期間まで適用できることとなります。

中小事業者等に対する事務負担の軽減措置

基準期間(前々年・前々事業年度)における課税売上高が1億円以下、または特定期間(前年・前事業年度の前半6か月)における課税売上高が5千万円以下である事業者については事務負担の軽減措置が講じられます。

具体的にはインボイス制度の施行から6年間(令和11年9月30日まで)、1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくとも帳簿のみで仕入税額控除が可能になります。

現在も3万円未満の課税仕入については、請求書等の保存が必要なく、法定事項が記載された帳簿の保存のみでよいこととされていますが、その考え方と同じ措置ですね。

電子帳簿保存制度の見直し

再来年(2024年)1月から完全義務化予定の電子取引の取引情報に係るデータ保存について、出力書面の保存に加え、データのダウンロードの求めに応じることができるようにしておけばOKとする新たな猶予措置が整備されます。

この猶予措置は保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由があると認められるということが前提になりますが相当の理由の具体例は示されていないため何かしらの理由が説明できれば問題ないと思われます。

また、電子取引の取引情報に係るデータ保存について、ダウンロードの求めへの対応を前提に全ての検索機能の確保の要件が不要となる売上高基準が現行の1,000万円以下から5,000万円以下に引き上げられることになります。

こちらは「出力書面の保存」も「相当の理由の説明」も不要で認められることになりますね。

法人税

防衛費の増額で不足する1兆円あまりの財源を賄う増税策として、法人税は納税額に4%から4.5%を一律に上乗せする付加税を課すとしています。

ただ、中小企業などに配慮し、課税標準となる法人税額から500万円を控除することになります。

控除される法人税額500万円を所得ベースで考えると約2,400万円になります。

所得2400万円を下回る事業者は結果的に対象から除外されるため、中小企業の約9割は対象外になる見通しとのことです。

普通法人の2400万円を超える所得に対する税率は現在23.2%ですので、これに4%から4.5%を乗じるとおよそ1%になりますね。

なお、施行時期は令和6年以降の適切な時期とされており具体的な開始時期の決定は見送られました。

所得税

所得税でも防衛費に充てる目的税を創設し、税額に1%が上乗せされます。

現在は2.1%が所得税に上乗せされている復興特別所得税をその分(1%分)引き下げて当面の負担は据え置きになります。(負担増無し)

ただ、復興財源確保のために課税期間は延長され、長い目で見れば増税となる予定です。

なお、延長期間は最長で13年になる見通しとのことです。

そして、こちらも施行時期は令和6年以降の適切な時期とされており具体的な開始時期の決定は見送られました。

NISA

NISAは年間投資枠が360万円に、さらに制度全体の生涯の投資上限が1,800万円に広がります。

そして、長期の積み立てを目的に投資信託だけを購入対象とする「つみたて投資枠」と、上場企業の株式などを購入できる「成長投資枠」を設けます。

新制度は再来年1月から(2024年)スタートし、両方の枠の併用が可能になります。

その上で、制度は恒久的なものとして、非課税で保有できる期間も無期限になります。

年間の投資の上限額内訳については「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」は240万円、合計で360万円となります。

さらに非課税で保有できる資産の限度額は2つの枠の合計で最大1800万円とし、株式などの枠はこのうち1200万円以内に抑える必要があります。

従来の「一般NISA」や「つみたてNISA」で投資をしている人も、新たなNISAは、上限額まで利用することができます。

例えば現在の「一般NISA」で上限の600万円の資産をすでに保有している人も、これとは別に新制度のNISAで1800万円まで非課税で保有でるのでうれしい改正ですね。

スタートアップ投資

個人投資家が株式を売却して得た利益をその年のうちにスタートアップ企業に再投資する場合、売却益のうち20億円までを非課税とする方向です。

この措置では、設立から5年未満の創業初期で利益を十分にあげておらず、資金的な支援が必要な企業に投資対象を限定することにしています。

さらに、保有する株式を売却して得た自己資金で起業する人についても、20億円を上限に所得税の課税対象としないということです。

相続税・贈与税

生前贈与の持ち戻し

生前に贈与を受けた財産は、毎年110万円までは贈与税がかかりません。

ただ、亡くなった日から3年前までに受けた贈与については、相続した財産と合算して相続税を納めることとなっています。

この制度について、改正により合算する対象の期間が7年に拡大されます。

この改正は令和6年1月1日以後の贈与について適用されます。

具体的には、令和9年1月以降に加算期間が順次延長され加算期間7年となるのは令和13年1月以降になります。

なお、延長した4年間に受けた贈与については、総額100万円まで相続財産に加算しないこととされました。

相続時精算課税

2500万円までの贈与をいったんは非課税とした上で、相続の際にその分も合算して課税額を計算する「相続時精算課税制度」も見直します。

これまでは少額の贈与でもすべて申告しなければなりませんでしたが、毎年110万円までは贈与を受けても相続時に申告しなくてもよいように改正します。

教育資金贈与

30歳未満の人が祖父母や親から学校の授業料や塾代などの教育目的で1500万円を上限に一括で贈与を受ける場合、贈与税が非課税になる優遇措置も来年3月末の期限を3年延長します。

結婚子育て資金贈与

結婚や出産などにかかる資金を祖父母らから援助してもらう場合に、1000万円を上限に贈与税を非課税としている措置についても、来年3月末の期限が2年延長になります。

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