今月1日(令和1年10月1日)からついに相続税の申告が電子申告対応になりました。
所得税、法人税はもちろんのこと贈与税も既に電子申告が可能でしたが、ようやく相続税も電子申告できます。
税理士のメリット
相続税の申告書というと申告書だけでなく添付書類も多く、郵送提出する場合レターパックに入りきらない量になるケースも結構多いんですよね。
今回の電子申告対応では添付書類のPDF提出も併せて可能になっていますのでかなり便利になります。
申告書のセッティング作業もなくなりますね。
公図やら実測図やらA3で印刷したりするものもありますのでセッティング作業が結構大変でしたよね。
これらの書類はペーパーレス化を推進している当事務所では元々PDF保存していますのでいちいち印刷してセッティングせず電子申告システムで送信すれば完了するのはうれしい限りです。
納税者の方のメリット
クライアントの皆様への申告書の返却も所得税や法人税はPDFで返却していますので相続税もPDFでの返却にさせていただこうと思っております。(ご高齢の方などでパソコンをお使いでない方には従来通り紙に印刷してご返却いたします)
紙の申告書だと保管も大変ですし相続税の申告書って2次相続(お父様が亡くなられた後、お母様が亡くなられる場合などの相続)の時に提出をお願いするのですが紛失されている方もいらっしゃったりしますのでPCの重要なフォルダとか重要なメールで保存しておいていただく方が紛失リスクも低いかと思います。
紛失の連絡を受けた際の再送付がすぐに行えるということもメリットかと思いますね。
あとは大きなメリットではないかもしれませんが申告書への押印が不要になります。
相続人が多い場合などでお一人ずつ申告書の控えを作成する場合、押印箇所が10以上になることも結構あります。
押印日当日に印鑑をお忘れになってしまって2度手間に、なんてことも無くなりますね。
添付書類はPDFで提出可能
法人税の申告では決算書や内訳書がPDF添付不可であったり結局電子申告後に添付書類を郵送していることもあるかと思いますが相続税は戸籍謄本や遺産分割協議書から地図や各種評価明細書まで全てPDF添付可能なようです。(以下のe-taxホームページリンクをご確認ください)
イメージデータで提出可能な添付書類(相続税申告)(PDF形式:約177KB)
注意点はデータ容量ですかね。
1送信当たりのファイル数及びデータ容量の上限については、次のとおりです。
8MBって少ないですよね。
一応これは1送信当たりですので追加送信もできます。
しかし、同時送信方式と追加送信方式を併用した場合でも最大11回の送信で1,496ファイル、88.0MBが最高ですのでやや不安。
とくに相続税の申告は先程も記載した通り添付する書類の量が大量になることが多いんですよ。
データを圧縮しすぎて税務署から紙で再提出するように電話が来てもいやですからね。
圧縮するものとそうでないものを区別したり、そもそも提出がお願いベース(任意)のものは省略したりということを検討する必要がありそうですね。
まとめ
相続税の電子申告も他税目と同様、納税者・税理士双方にメリットがありそうです。
まあ、一番メリットがあるのは税務署ですけどね。
「三方よし」(厳密には少し違うかもしれませんが)ということで相続税の電子申告にチャレンジしてみましょう!