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税理士業務

倒産防止共済(経営セーフティ共済)を法人成で引き継いだ場合の仕訳

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中小企業・個人事業者(フリーランス)の節税対策として使われることの多い倒産防止共済。

個人事業者が法人成する場合には契約を引き継ぐことが出来ます。

倒産防止共済とは

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。(中小企業基盤整備機構HPより)

今は経営セーフティ共済という愛称が使われていますね。

正式名称である倒産防止共済という名の通り倒産を防止する共済です。

しかしその制度のメインである共済部分は使い勝手が悪いです。

共済と聞くと取引先が倒産した場合に保険金(共済金)が支払われるような気がしますが保険金は支払われません。

取引先が倒産した場合は掛金の10倍まで借入ができるということ。借入なので返さないといけません。

一応、無利子ということになっていますが借入額の10分の1に相当する額が払い込んだ掛金から控除されます。

これだったらこの後説明しますが解約して掛金を全額戻して別途金融機関で借入した方が得かなと思います。

節税対策として利用されることが多い

平成30年9月時点で約46万社が加入しているようです。(中小企業基盤整備機構HPより)

私が関与させていただいた法人でも加入している法人を多く見てきましたがそのほとんどが節税対策として加入していました。

掛金は全額経費になり、40か月以上加入していれば任意解約でも100%掛金が戻ってきます。

40か月満期の定期積金に預けながら預けたお金が経費になる感覚です。

期末に1年前払いしても全額経費計上できますので決算対策で最大240万円を経費計上なんてことも可能です。

解約手当金は利益になる

掛金が全額経費になる反面、解約してお金が戻ってきたら全額利益になります。

この辺りは節税保険と同じですね。

解約のタイミングで何かの損とうまくぶつける必要があります。

節税保険のように解約返戻割合が毎年変わることもなく40か月以上経過すれば常に100%で戻ってきますので解約のタイミングのスケジューリングは不要で損失が出たら解約するというシンプルな考え方で大丈夫です。

個人事業者が法人成した場合

さて、ここからが本題です。

倒産防止共済は個人事業者でも1年以上事業を行っていれば加入することが出来ます。

そして個人事業者が会社設立して法人成した場合は共済契約を個人から法人に引き続くことが出来ます。

では、個人から法人に共済契約を引き継いだ場合、会計・税務処理はどうなるのでしょうか。

基本的な考え方

国税庁や中小企業基盤整備機構からもこのあたりの考え方は明示されていませんが、一般的な保険契約を個人・法人間で引き継ぐ場合と同様と考えて処理して問題ないと思われます。

具体的には解約手当金相当額を時価として契約の権利を売買することになります。

個人の処理

解約手当金が100(万円)の場合

現預金 100 / 雑収入 100

となり、100の収入は事業所得として所得税が課税されると思われます。

保険の解約返戻金は一時所得として(解約返戻金ー累計掛金総額ー特別控除50万円)×1/2が所得になりますが、倒産防止共済は事業のために加入し事業に関連して解約手当金を受け取っていること、掛金が全額経費になっていることから、法人に契約変更して法人から受け取った解約手当金相当額も事業所得として課税される(利益になる)と思われます。

なお、本当に解約して解約手当金を中小企業基盤整備機構から受け取った場合、個人事業者は事業所得になる旨が中小企業基盤整備機構のホームページに記載されています。

Q.解約手当金は税法上どのように取り扱われますか。

A.解約手当金は税法上、法人の場合は益金の額、個人の場合は事業所得の収入金額となります。

法人の処理

個人での解約手当金が100(万円)の場合

保険積立金 100 / 現預金 100

となり、個人に支払う100は経費になりません。

倒産防止共済の掛金は租税特別措置法の優遇措置により全額経費になっており、法人が個人から買い取る解約手当金相当額はこの優遇措置の対象にはなりません。

解約手当金を受け取る権利(資産)を購入したということで資産処理になりますね。

解約手当金がゼロの場合

加入期間が11か月以下で解約手当金がゼロの場合はどうなるでしょうか。

この場合は時価がゼロ(売買の価値無し)であるため処理(仕訳)なし、個人側も課税なしでよろしいかと思います。

個人が掛金を支払った部分ついて、個人側では経費処理だけ、法人側では益金処理(利益になる)だけでプロ(税理士)の方は違和感を感じる部分もあるかと思いますが解約手当金がゼロである以上、時価はゼロとするのが正しい処理ではないでしょうか。

まとめ

倒産防止共済に加入している個人事業者の方は法人成する際は忘れずに引継ぎの手続きをしましょう。

「承継事由が生じてから3か月以内に、登録取扱機関をとおして、申し出てください。」と中小企業基盤整備機構のホームページに記載がありますのでうっかりしていて引継ぎできなかったということの無いように。

また、本題である会計・税務処理については国税庁・中小企業基盤整備機構から何も明示されていない状態ではありますので今後の動向に注意、そして実際に処理される場合は顧問税理士などにご相談ください。

 

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