消費税

ウーバー(uber)、アマゾン(amazon)などの配達員に対するインボイス制度対応を予想!

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いよいよ今年の10月から開始されるインボイス制度ですがウーバー(uber)、アマゾン(amazon)などの配達員に対する対応は明確にされていないのが現状です。(2023年1月21日時点)

今回はそんな状況の中、ウーバー(uber)、アマゾン(amazon)などの配達員に対するインボイス制度の対応を大胆にも予想いたします!

インボイス制度とは

もうご存知の方も多いと思いますが改めて簡単に説明しますね。

まず、現在の消費税の仕組みですが売上で預かった消費税から仕入・経費等で支払った消費税を控除した金額を国に納めることになっています。
(消費税課税事業者で簡易課税制度を選択していない場合です)

そして、支払った消費税については請求書や領収書を保存しておく必要があります。

この請求書や領収書について、今年(令和5年)の10月1日からは国が定めたインボイス(適格請求書)を保存しておくことが必要になります。

国が定めたインボイス(適格請求書)の保存が無い場合は国に消費税を納める際にそこに含まれる消費税は売上で預かった消費税から控除できないことになってしまいます。

インボイスとは

消費税のインボイス(適格請求書)とは売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えることを目的とした請求書です。

具体的には、以下の内容の記載がされたものをいいます。

  • 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

一般的には売手が発行する請求書がインボイスということになりますが買手が仕入明細書等のかたちで売手に発行する書類でも上記の内容が記載されていればインボイスとして認められることになります。

ウーバーなどでは働いた分の明細がオンライン上で確認できますよね。

おそらくその明細をもってインボイスということになると思われます。

そこに上記の内容が記載されていることが重要になるのです。

免税事業者には登録番号がない

消費税を国に納めていない免税事業者はインボイスに記載が必要な「登録番号」を国から発番してもらうことができません。

「登録番号」を国から発番してもらうためには消費税を国に納める課税事業者にならないといけないのです。

「登録番号」がなければウーバーなどが明細に配達員の登録番号を記載することができず、その場合は国が定めたインボイス(適格請求書)に該当しないことになります。

ということで2年前の売上が1,000万円以下である免税事業者は「登録番号」を国から発番してもらうために課税事業者になるか、「登録番号」無しのまま免税事業者でいるか、の選択を迫られているわけですね。

登録番号が無いとウーバーなどはどうなるのか

ウーバーなどが配達員に配達料を支払った際に、その配達員に登録番号が無かったらどうなるのでしょうか?

ウーバーは自社の消費税の納税の際に、その配達員に支払った配達料が控除できないことになります。

簡単な金額で計算してみましょう。

まずはインボイス制度導入前の現在は、

  税込 消費税
ウーバーの売上 1,100 100
配達員への支払 550 50
 差引 550 50

ウーバーの手取りは550の利益から50の納税を引いて500ですね。

インボイス制度開始後に配達員に登録番号があれば同じ計算になります。

しかし、インボイス制度開始後に配達員に登録番号がなければ以下のようになってしまうのです。

  税込 消費税
ウーバーの売上 1,100 100
配達員への支払 550 0
 差引 550 100

ウーバーの手取りは550の利益から100の納税を引いて450ですね。

登録番号の無い配達員に支払った報酬は消費税計算上控除できないので消費税の納税が増えて結果ウーバーの手取りが減ることになります。

ウーバーの対応を予想!

さあここからは独断と偏見でウーバーなどの対応を予想してみましょう。

先ほどご覧いただいた通りこのままいくとウーバーなどは消費税の納税額が増えるので損してしまいますよね。

配達員の多くは年間売上1,000万円以下の消費税免税事業者だと思われますし、その数も相当多いでしょうから全体の納税額に与える影響は決して無視することはできません。

予想パターン1

登録番号の無い配達員とは契約しないとすることが予想パターン1です。

現在登録番号のある配達員とは契約を継続し、登録番号の無い配達員には登録を促して登録しない場合は契約解除とするという方針があるかもしれません。

こうすればインボイス制度導入前の現在と消費税の計算方法は変わらずに納税額も増えませんからね。

ただ個人的にはこのパターンの可能性は低いのではないかと予想しています。

ただでさえ配達員不足による配達員の獲得競争が激化している現在、登録番号があることが必須となると配達員を獲得することは難しいですよね。

予想パターン2

登録番号の無い配達員とも契約するが、登録番号の無い配達員に支払う報酬は消費税相当を減額するということが予想パターン2です。

ウーバー側の計算を見てみましょう。

  税込 消費税
ウーバーの売上 1,100 100
配達員への支払 500 0
 差引 600 100

消費税の納税は100になってしまうものの、配達員への支払が500に減りますのでトータルでみると600-100=500が手元に残りインボイス制度導入前と同じ結果になりますね。

ただ、このパターンだと配達員の収入は消費税分減ってしまうので配達員が他のサービス(出前館など)に乗り換えたり、配達員として働くことをやめたりしてしまうかもしれません。

ということでこのパターンも可能性は低いと思われ、私が最も推すパターンは次の予想パターン3です。

予想パターン3

登録番号の無い配達員とも契約し、登録番号の無い配達員に支払う報酬も現状の税込金額を据え置きとするパターンです。

登録番号の無い配達員との契約は以下のようになります。

  税込 消費税
ウーバーの売上 1,100 100
配達員への支払 550 0
 差引 550 100

ウーバーの手取りは550-100=450となりインボイス制度導入前より減ってしまいますが配達員の確保のためにはやむ無しとすることが予想されます。

このパターンが一番可能性が高いのではないでしょうか?

予想パターン4

登録番号の無い配達員とも契約し、登録番号の無い配達員に支払う報酬も現状の税込金額を据え置き、さらに登録番号のある配達員へは消費税相当を上乗せするパターンがあるかもしれません。

このパターンの場合、登録番号のある配達員との契約は以下のようになります。

  税込 消費税
ウーバーの売上 1,100 100
配達員への支払 605 55
 差引 495 45

ウーバーの手取りは495-45=450となり登録番号の無い配達員とのバランスが保たれます。

ただ、このパターンだと元々課税事業者だった配達員が得をするかたちになり、さらに現在免税事業者である配達員も課税事業者になって登録番号を取った方が得になってしまうので、このパターンが採用される可能性は低いのかなと思います。

配達員の確保が困難を極めた際の配達員確保ための策として万が一実行されるか、という感じでしょうか。

ウーバーなどの動向に注意

今後10月までのどこかでウーバーなどからインボイス制度対応の方針が明らかにされることになります。

もしかすると各社、他社の動向を様子見していてにらみ合いの状況が続いているのかもしれません。

当初今年の3月31日が期限であった番号申請の登録期限については3月31日以降でも問題なく受け付けられることになりましたのでウーバーなどの事業者もギリギリまで検討を続けるかもしれませんね。

最新の情報が得られましたらこちらのブログでもお知らせしていきたいと思います!

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