先日こちらの記事でお伝えした電子取引のデータ保存の義務化について、
電子取引のデータ保存が義務化!対策は年内にしよう!!
要件を満たさずに電子取引のデータ保存をしている場合、最悪のケースは青色申告の取消の可能性があるということで税理士業界内では大きな話題になっていました。
この改正を機に「請求書PDFのメール送付をやめて印刷した紙での郵送に切り替える」や「紙の領収書が出ないAmazonでの購入をやめてアスクルに切り替える」などの対応を検討しているという話も耳にしました。
国税がデジタル化に向けて行った改正が世の中のデジタル化の流れを阻止するという本末転倒な方向に向かいそうな現状です。
国税が急遽FAQを追加
国税にもかなり多くの問い合わせがあったようで急遽(?)FAQが追加掲載されました。
令和3年11月12日 | 「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)~令和4年1月1日以後に保存等を開始する方~」に関する「お問合せの多いご質問(令和3年11月)」を掲載しました(PDF/234KB) |
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詳細は上記リンクからご確認いただければ幸いですが該当部分を抜粋してみます。
電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。 これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。
要約しますと電子データでの保存ができていなくても紙に印刷されたもので確認できればOK。
経費計上が認められなかったり青色申告の取消がされたりすることもないとのことです。
実務上の対応はどうすべきか
こうなると対応が難しいですよね。
電子データでの保存をしないといけないのか、しなくてもいいのか。
一応、法律が改正されて義務化されますので電子データでの保存をするという方向で動くべきだとは思います。
現実的な対応方法は先日の記事でも投稿しました通り、
- 国税庁ホームページにアップされている事務処理規程をダウンロードして自社用にカスタマイズする
- 電子取引で受領したデータについてはファイル名に「yyyymmdd(年月日)_取引先_取引金額」と記載してファイル名で検索可能な場所に保存する
ということを基本としつつ過度に神経質にならないということでしょうか。
印刷した紙で保存していたり、ファイル名に「yyyymmdd(年月日)_取引先_取引金額」と記載せずに保存したりしていても税務調査時にその書類が提示できれば問題ないんでしょうね。
まとめ
電子帳簿保存関係の国税の対応は近年迷走を続けています。
今回の改正を含め分かりづらい点が多く残っています。
これからも毎年改正が続くと思いますので先ほども申し上げました通り過度に神経質にならず税理士などと相談しながら現実的な対応をしましょう!