UA-101267586-1
起業・創業支援

創業時から消費税を意識しよう②(創業計画書における消費税の扱い)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回は主に消費税の課税事業者になるか免税事業者になるかのポイントについて解説しました。

今回は創業時の事業計画における消費税の扱いについてです。

創業計画書における消費税

創業融資を借入しようと思う場合には創業計画書(事業計画書)の提出が必須になります。

前回もお話の通り通常は創業から2年間は消費税を納める義務がありません。

売上の請求時に消費税を上乗せしていても、また、仕入の支払時に消費税が含まれていても免税事業者であれば消費税の申告納税は必要ないのです。

申告納税は必要なくとも消費税の金額相当は受け取ったり支払ったりしますので資金繰り表(資金繰り計画)の作成時は消費税込みで計算し作成することになります。

一方で創業計画書における損益の見通しについては消費税込みで作成するか消費税抜きで作成するか明確なルールはありません(自由です)が一般的には消費税込みの金額で作成するケースが多いと思います。

国税庁のHPにも免税事業者は税込経理方式で経理するようにとの記載があります。
消費税の納税義務者である事業者は、所得税又は法人税の所得計算に当たり、消費税及び地方消費税(以下「消費税等」といいます。)について税抜経理方式又は税込経理方式のどちらを選択してもよいこととされています。
 税抜経理方式による場合は、課税売上げに係る消費税等の額は仮受消費税等とし、課税仕入れに係る消費税等の額については仮払消費税等とします。
 税込経理方式による場合は、課税売上げに係る消費税等の額は売上金額、仕入れに係る消費税等の額は仕入金額などに含めて計上し、消費税等の納付税額は租税公課として必要経費又は損金の額に算入します。
 なお、消費税の納税義務が免除されている免税事業者は、税込経理方式によります。
 
さて、消費税込みで創業計画書を作成するとして、注意が必要なのは3期目の損益についてです。
 
2期目までは消費税を預かりながら納税が免除されている状態ですので、いわゆる益税の状態になっています。
 
仮に原価が給与のみの事業であったりすると相当な金額の消費税が得になっていることになります。
 
簡単な数字で確認してみましょう。

消費税の影響 税込経理の場合

 
【第1期目】
売上高 108
給与   50
利益   58
 
第1期目は100の売上に対して8の消費税を上乗せして請求、
給与は50払っていますが給与には消費税が含まれていません。
利益は108-50=58です。
 
【第2期目】
売上高 108
給与   50
利益   58
 
第2期目は引き続き消費税免税事業者として第1期目と同じです。
 
【第3期目】
売上高 108
給与   50
消費税   8
利益   50
 
第3期目から消費税課税事業者になった場合、消費税計算上は8の預かった消費税に対して支払った消費税はゼロなので8-0=8の納税になります。
 
税込経理方式で経理すれば納税額の8は経費として処理することになりますので利益の計算は以下の通りです。
108-50-8=50
 
ちなみに第3期目から税抜経理方式を採用する場合は以下の通りです。
 
【第3期目】
売上高 100
給与   50
利益   50
 
利益は税込経理方式と変わらない結果になります。
 
ざっくりとした数字で見るとイマイチぴんと来ないかもしれませんが、損益ギリギリの事業計画で考えていると消費税が課税事業者になった結果赤字決算、なんてこともあったりします。
 
3期目の途中まで消費税を意識せずに進めているとギリギリ黒字と思っていたのに決算の結果赤字!しかも消費税の納税資金がない!なんてことになりかねませんので本当に注意ですよ。
 
赤字決算になってしまうことも大変ですが、納税資金が無いことの方が大変ですね。
 
1期目、2期目は消費税を預かりながら納税する必要がなかったため自社の売上と錯覚してしまいがちですが取引先から預かっているだけなので自社の売上ではないんですよね。
 
これが2年も続くとどうしても錯覚してしまいがちなんです。

創業計画書に消費税の納税金額を織り込む

 
お勧めは創業計画書において第3期目に消費税の納税金額をしっかり織り込んでおくことです。
 
創業時から消費税の納税金額を意識しておくと実際に納税になるときのショック(?)が和らぐものです。
 
国税庁のHPには「免税事業者は税込経理方式」と記載されていますが私個人的には敢えて税抜経理方式にすることもアリだと考えています。
 
税込経理方式も税抜経理方式も最終的な損益(課税所得)は変わりませんので税務的な問題はありませんので。
 
税抜経理方式を採用した場合の金額例は以下の通りです。
 

消費税の影響 税抜経理の場合

 
【第1期目】
売上高 100
給与   50
雑収入   8
利益   58
 
売上高を税抜の8にして、でもその8は最終的には納税が免除されますので収入として計上します。
 
【第2期目】
売上高 100
給与   50
雑収入   8
利益   58
 
2期目も1期目と同じですね。
 
【第3期目】
売上高 100
給与   50
利益   50
 
3期目は8の消費税の納税が免除されず納税になりますので収入8がなくなります。
 
1期目、2期目がいわゆる益税で8の得をしていて、3期目から通常の課税事業者になるというのが分かりやすいですよね。
 
実際はもっと細かく預かった消費税(仮受消費税)と支払った消費税(仮払消費税)が集計されて3期目にどの程度の納税になるかのシミュレーションにもなりますのでその点もよいかと。
 
ちなみに仮受消費税より仮払消費税の方が大きくなって、仕訳の結果、雑収入でなくて雑損失が計上されたならそれは課税事業者であれば消費税申告の結果還付になっていたということです。
 
消費税課税事業者選択届出書を提出して自ら課税事業者になっておいた方が得だったということですね。

結論

3期目で消費税課税事業者になった結果、当初の事業計画、資金繰り計画にズレが生じることの内容に1期目の時点から3期目にどの程度の消費税を納めることになるのか意識しておきましょう。

Follow me!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。