ざっくり解説シリーズ、今回はDX投資促進税制についてです。
適用対象法人
青色申告書を提出する法人で認定事業適応事業者である法人が対象になります。
「青色申告書を提出」という条件は皆様満たされていますよね。
問題は「認定事業適応事業者」という条件ですね。
認定事業適応事業者とは、認定事業適応計画(産業競争力強化法に規定するもので主務大臣の確認を受けたものです。)に従って実施される情報技術事業適応を行う事業者をいいます。
認定要件
上記の通り、認定に係る要件が問題となりますが、認定のためには次のデジタル要件(D要件)および企業変革要件(X要件)の2つを満たすことが必要とされます。
(経済産業省HPより引用)
なお、一定以上の生産性向上とは以下のものです。
◆商品の製造原価が8.8%以上削減されること等
◆生産性向上や売上高の上昇の目標を定めること
・計画期間内で、ROAが2014年~2018年平均を基準値として1.5%ポイント向上
・計画期間内で、売上高伸び率≧過去5年度の業種売上高伸び率+5%ポイント
◆投資総額が売上高比0.1%以上であること
適用対象資産
適用対象資産は情報技術事業適応設備又は事業適応繰延資産です。
情報技術事業適応設備
認定事業適応事業者が、指定期間内に、情報技術事業適応の用に供するために行う特定ソフトウエアの新設若しくは増設をいいます。
また、これらのソフトウエアとともに情報技術事業適応の用に供する機械装置・器具備品も含まれます。
機械装置・器具備品はソフトウェア・繰延資産と連携して使用するものに限るということですね。
事業適応繰延資産
認定事業適応事業者が、指定期間内に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出した場合における、その支出した費用に係る繰延資産をいいます。
具体的にはクラウドシステムへの移行に係る初期費用等が該当します。
特別償却限度額
本税制では特別償却か特別控除の適用を受けることができます。
特別償却限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額です。
投資額の上限は300億円ということですね。
特別控除限度額
税額控除限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額です。
確定申告書添付書類
特別償却の適用を受ける場合
別表十六(一)、別表十六(二)又は別表十六(六)及び特別償却の付表と財務省令で定める書類を添付する必要があります。
特別控除の適用を受ける場合
別表六(三十二)と財務省令で定める書類を添付する必要があります。
適用時期
改正産業競争力強化法の施行の日から令和5年3月31日までの期間です。
2年間の時限措置ですね。
まとめ
最近よく耳にするDXですが、税制面からも導入が後押しされます。
ただ、適用のための要件は複雑で中小企業にはハードルが高いようにも思われます。
適用のための工数に見合った税メリットが受けられるのか疑問でもあります。
適用を検討される際は顧問税理士に相談の上、慎重な検討が必要ですね!
コメント