先週の新聞報道で「ウーバーイーツ配達員が労組結成へ」というものを目にしました。
記事ではウーバーイーツの配達員が事故にあったときに個人事業主として扱われて労災保険が適用されない(労災保険に加入できない)ことや最低賃金や有給休暇がないことを問題視する内容が記載されていました。
その他、全体的に労働者と大差ない働き方なのに労働者のような保護がないとの内容になっています。
さらに英国ではウーバー運転手を「就労者」という自営業者と労働者の中間に位置付ける判決が出たとの情報もありました。
そこで税理士として気になったのはウーバーイーツ配達員に個人事業税は課税されているのか?という点です。
個人事業税の課税判断
個人事業税の課税判断についてはこちらの投稿をご確認ください。
都道府県税事務所から事業内容の確認についての文書(お尋ね)が届いたら(個人事業税の課税判断)
ウーバーイーツ配達員の課税判断
ウーバーイーツ配達員については事業であれば運送取扱業に該当し個人事業税が課税されると思われます。
しかし、本当に事業に該当するのかが問題ですね。
新聞報道にもある通り限りなく労働者(給与所得者)に近い働き方になっていますからね。
この論点は保険外交員の個人事業税についての考え方に似ていると思います。
保険外交員の個人事業税について
ウーバーイーツ配達員に個人事業税を課税すべきでない
ウーバーイーツ配達員について、所得税の確定申告書上、職業欄を「運送業・配達業」などとして事業所得で申告していれば、都道府県から詳細の確認をされずに個人事業税が課税されていることと思います。
しかし、以下のポイントからウーバーイーツ配達員は個人事業税課税上の事業には該当せず個人事業税が課税されるべきではないと思われます。
- 与えられた仕事を言われたとおりにやる(仕事の進め方を自分で決めることが出来ない)
- 決められた報酬体系に従って仕事をしている
- 自分の事務所を持っていない
- 従業員を雇っていない
- 仕事を外注に投げることができない
- 取引先から仕事に必要な道具の支給を受けている(バッグのみですが…)
- 複数の取引先からの仕事を同時並行で受注していない(1社専属である)
- 経費がほとんど発生しない
独自の裁量で上記の要件に当てはまっていない場合は個人事業税が課税される可能性が高くなりますね。
事業主控除290万円があるから結果、納税している人はほとんどいない?
個人事業税が課税されることになった場合も、税額の計算上、事業主控除というものがあり年間の利益から290万円控除することが出来ます。
「年間収入-年間経費-290万円」でプラスの金額が残ればそこに税率5%を乗じた金額が事業税として納税する金額になります。
結果、課税されている人はほとんどいないかもしれませんね。
まとめ
ウーバーイーツ配達員に専念してバリバリ稼いでいる方、8月にお住まいの都道府県から個人事業税の通知書が届いたら都道府県税事務所に事情を説明して個人事業税が課税されないよう交渉しましょう!
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